ラストバースデー

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夏に生まれたあんたのバースデーは 秋になった頃だった。 「起きてるかー」 何でだかドキドキする。 バースデー前でちゃんと寝れただろうか? 「もう起きてまつ☆」 空から返事が来た。 「行こうと思ってるけど、いいかなぁ」と返信すると「まぁ全然つけへんけどかまわんよ(^_^)テカ大丈夫なん?」と返って来た。 「何もできなくて申し訳ないけど… 恥かかせてごめん」と私は言った。 シャンパンも開けられないなんて… 空は「バースデーやること自体恥やからこれ以上の恥はないよ(^_^) だから気にすんな」と言った。 お金がないやつは要らないと言ったと思えば ホストっぽい事を言ってくれてさ。 普通の事でも優しいとさえ思った。 じゃあまた後で そう返信した。 歌舞伎町はキラキラしていたけど 悲愴感みたいなのがいつもそこにあった。 ホストとキャバ嬢のやり場のない思いが うじゃうじゃしてて、そこに飲まれていつも悲しかった。 楽しかったけど悲しい。 言葉に出来ないそんな感情を持ってR店へ向かった。 見慣れた道と 見慣れたエレベーターと 知ってる顔 それがあればいい あの頃は本気でそう思ってた
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