28人が本棚に入れています
本棚に追加
/122ページ
甘い甘い苺
取れ立ての苺
それを食べれるなんて幸せやと思わん?
「甘~い!」
「純くんこっちにおっきいのあったで!」
そう
今日は珍しく懐かしきメンバー達と苺狩りに来とるわけ
ホンマは今日復活ライヴの為のミーティングやったんやけど…
妃さんが急に苺狩りに行こう言うからミーティングは中止、んで今に至るわけや
まぁこんな幸せな時間過ごせるんやったら別にええんやけどな~
「純くん?何一人で顔芸しとるん?」
「なっ…そんなんしてへんわ!」
伊織の気配に全く気付かんかったわ;
「ほら、おっきい苺やで」
真ん丸と大きな苺
めっちゃ赤いから食ったらきっと甘いんやろなぁ
「純くん食べな?」
へ?
「い…伊織が食うたらええやろ?」
思わず断わってもうた…
でも伊織が取ってきたんやから伊織が食べたらええのになんで俺に渡そうと…
「純くんの為に見つけてきたんよ。やから純くんが食べな?」
伊織は俺の手の上に苺を乗せた
俺の手の上に乗る真ん丸と大きな苺
自然と俺の頬まで苺みたいに赤く染まる
「い…いただきます…//」
一口苺にかぶりつけば苺の甘味が口の中に広がる
甘い
めっちゃ甘い
「どう?純くん」
「今まで食っとったやつより甘いわ!」
「良かったわ~。ほなまた探してくるな!」
あ…
「ちょお待ち!」
伊織の腕を掴んで呼び止めた
せっかく伊織が取ってきたんに伊織が食べへんのは流石になぁ;
とか頭の中にそんな言葉が浮かんだ
「伊織も食べ?」
「え?あ……んっ…」
伊織の返事なんか聞かず半分だけになってもうた真ん丸と大きな苺を伊織の口へ
伊織の奴めっちゃ驚いとったけどそんなの無視
甘いやろ?
俺からの苺は
「……ホンマに甘いなぁ」
「やろ?」
あれ?
"純くんからの"は付け足してくれんの?
そんな事考えとったら急に伊織が耳元で変な事言うから思わず真っ赤になってもうた
そんな俺を見て優しく笑いながらまた苺を取りに行った
「あほ……//何が"純くんとのキスの方が甘い"だ……//」
甘い甘い苺
end
最初のコメントを投稿しよう!