第1話

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二人はかなり起こすのがめんどくさい姉を起こしに行くこととなった。 未来の姉達、累霧(るいむ)と夢である。 この二人は誰かに起こしてもらわなければ決して起きない鉄人。 コンコン!! 「夢姉、起きてる?」 「兄貴、起きているはずがないでしょう? あの二人がただで起きてくれたら槍が降るわよ」 「そうだったな」 未来は遠慮なく、ドアを蹴り開けた。 どうやらドアの前に何かがあることを知っているようだ。 「うわ……酒くさ……」 「相当、昨日も飲んでたみたいだね。さっさと起こさないと時間がなくなるわよ」 「そうだったな……気合入れていくか」 未来が先頭で空っぽになった空き缶を蹴飛ばしづつ、ベッドの横まで来た。 へそ丸出しの下着姿で寝ているのが夢姉である。 抱き枕に抱きつき、よだれを垂らしながら寝ている。 長女・桜井 夢は25歳のバリバリのキャリアウーマンである。 夢が働いている会社ではかなりの人気をほこった美人なのだが日ごろのストレスのせいか、のんべいになることが多い。 なお、もてるが面食いなので次々と男を振っており、彼氏はなし! 昨日も自棄酒だったらしい。
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