商魂その1 転職します♪

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ダルマの神殿には、今日も沢山の人が訪れている。 転職を考えている者が相談に来たり、決意を新たに転職しに来たり… この、転職受付三番窓口にも二十歳過ぎくらいの女戦士が書類に記入をしている。どうやら商人に転職を希望しているようだが… 女戦士 「す、すいません…イッシンジョウの都合でのイッシンって一心ですか?」 受付 「一身だよ…後が使えてるんだ。サクサク頼むよぉ~サクサクよぉ」 全く持って、頭が悪い。漢字を書けない若者は近年増えたとはよく聞くが、本当に多い。 女戦士は見るからに若い為、レベルは20ジャストといった所だろう。受付がふと並びを確認すると、後がつかえている。 受付 「いやいや、マジで頼むよ~」 女戦士 「す、すいません」 苦笑いの女戦士。顔はまあまあ可愛いらしい。瞳は少しつり上がったパッチリ二重。黒くて長い髪はサラサラしていて艶がある。結構、良いシャンプー系薬草を使ってそうだ。 装いは黒い軽量鎧に、女性用にしては大きな剣。やけに、使い込まれているようだ。 さらに、受付は女戦士の左耳を確認する。理由はピアスを見る為…この世界では、ピアスの色で職業ランクが分かる。白→黄色→赤→青→紫→黒→金→虹色と八段階に変化する。ランクは冒険者協会のクエスト(仕事)をクリアしていくと上がっていく仕組みである。 しかし、長い髪でピアスは見えない。 ガヤガヤガヤ… 急に、周りが騒がしくなり神殿内に放送が流れた。 『やべっ!神殿の外で狂獣バッファローLV50が暴れてる!!神殿傭兵部隊は至急出動!転職希望者、及び相談者は神殿から出るなよ!』 野次馬根性丸出しで、みんな外を覗き始めた。女戦士もようやく書類を書き終わり、黒髪をなびかせ窓へと向かう。 受付 (?) 窓際に振り向いた瞬間、少しだけピアスが見えた。見間違いだろうか… 女戦士のピアスは、虹色に輝いていたように見えた。
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