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ブツブツと不満を言う男に紗織は飄々と答える
「気づかないっしょって……
退治すんの俺だろ…」
「細かいことは気にしなーい、ちゃっちゃとやっちゃってー、夜明けは近いよー」
「………しょーがねぇ、
帰ったら熱い風呂用意しとけよな！」
そう言うなり男は
拳を握り、構えた
「さぁこい化け犬、逝かしてやるよ」
今日は満月
月の光に惑わされ奇怪な行動を起こすのは
人間だけではない
そして満月の夜に出歩くのは
奇怪な行動を起こすものだけではない
「…………なんだあれ」
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