三章「天上院明日香」

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「手札のエトワール・サイバーと、フィールドのブレード・スケーターを融合! サイバー・ブレイダーを召喚! このカードは相手の場のモンスターの数により効果が決定されるわ。 1体の場合は、戦闘で破壊されない効果となる!」 な、なんだ。 ならまだ大丈夫だ。 サイバー・ブレイダーの攻撃力は2100だから、氷帝メビウスには届かない。 戦闘無敵の効果でやり過ごす気だろうか? それならば、このターンを凌げれば、手札のならず者傭兵部隊で破壊できる。 これで天上院明日香の手札は残り2枚…… 「まだよ!魔法カード、早すぎた埋葬を発動! 800ポイントのライフ払って、モンスターを1体蘇生させるわ。」 天上院明日香 LP 1000 「さっき天使の施しで墓地に送った上級モンスター、 サイバー・プリマを特殊召喚! 攻撃力は2300よ!」 ……。 天上院明日香の手札は残り1枚。 なんだかとても嫌な予感がする。 「これで終わりよ! 魔法カード、団結の力をサイバー・ブレイダーに装備! このカードは自分フィールドのモンスターの数だけ、 800ポイント攻撃力をアップさせるわ。 今は2体いるから、1600ポイントアップよ。」 と、いうことは、サイバー・ブレイダーの攻撃力は3700になるというわけだ。 ああ! 氷帝メビウスがやられる! でもライフはまだ……ん? ちょっと落ち着いてライフを計算してみる。 あたしの残りライフは3600。 これで氷帝メビウスが破壊されると、1300ポイント削られる。 で、サイバー・プリマの攻撃力は2300。 …… …… ……あ…… …負けじゃん。 「行くわよ!サイバー・ブレイダーで氷帝メビウスを破壊! グリッサード・スラッシュ! そしてサイバー・プリマのダイレクトアタック! 終幕のレヴェランス!」 「きゃぁぁぁ!!」 石原法子 LP 0 「そこまで!天上院明日香くんの勝ちだ。 お互い、テストの詳細な点数は後日、PADに送るので確認しておくように。」 「わかりました。 いいデュエルだったわ。ありがとう、石原さん。」 「あ、ありがとうございましたぁ……」 あたしはがっくりと肩を落としてデュエル場を立ち去った。 まぁ前回ほど酷い結果じゃないことが唯一の救いだ。 天上院明日香……いつか必ず勝つ! ・・・
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