五章「吉澤由美」

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「わ、わ、わ、私たちのか、カード…… さ、探さないと……」 山本百合、宇佐美彰子らの生徒も一緒に来てくれた。 もしかしたら赤帽子くんもいるかもしれないが、 周囲が暗いのでよく見えない。 吉澤先輩が指揮を取る。 「むふ、それじゃあみんな、周りをよく警戒して。 まだ森の中に入っちゃダメよ。危険だから。」 と、そこへ…… 「あ!あれ!」 誰かが空に向かって指差して叫ぶ。 なんと!カードが空を舞って飛んでいるではないか! 「う、噂は本当だったのか。」 どうやら発電所のほうへ飛んでいくらしい。 みんなが少しざわつき始める。 「みんな落ち着いて。むふ。 みんなで手を繋いで、はぐれない様にして!」 カードはこうしてる間にも次々と飛んできていた。 オベリスクブルーの男子寮、女子寮から何枚か飛んできたのが見えていた。 一体どうなっているのか……。 「あ!お、お前、黒川!」 温田が突然叫ぶ。 発電所に辿りついたあたしたちの前に姿を現したのは、 最近欠席が多くて妙だと言われていた、黒川唯一だった。 彼が手にしていたカードは先ほどの飛んできたカードたちだろうか。 「く、くくくく。 どうかしたのか?」 虚ろな目をした黒川。 何かとても嫌な感じがする。吉澤先輩が前に出る。 「むふ。あなたがみんなのカードを奪ったの?」 「そうだと言ったら?」 「返す気はある?」 「……。」 その質問には黒川は無言だった。 口元にはいやらしい笑みが浮かんでいる。 「そう……なら腕ずくでも取り戻すわ!」 そう言って、先輩がデュエルディスクを構える。 「馬鹿め……貴様も復活のための生贄にしてやろう…」
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