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「わ、わ、わ、私たちのか、カード……
さ、探さないと……」
山本百合、宇佐美彰子らの生徒も一緒に来てくれた。
もしかしたら赤帽子くんもいるかもしれないが、
周囲が暗いのでよく見えない。
吉澤先輩が指揮を取る。
「むふ、それじゃあみんな、周りをよく警戒して。
まだ森の中に入っちゃダメよ。危険だから。」
と、そこへ……
「あ!あれ!」
誰かが空に向かって指差して叫ぶ。
なんと!カードが空を舞って飛んでいるではないか!
「う、噂は本当だったのか。」
どうやら発電所のほうへ飛んでいくらしい。
みんなが少しざわつき始める。
「みんな落ち着いて。むふ。
みんなで手を繋いで、はぐれない様にして!」
カードはこうしてる間にも次々と飛んできていた。
オベリスクブルーの男子寮、女子寮から何枚か飛んできたのが見えていた。
一体どうなっているのか……。
「あ!お、お前、黒川!」
温田が突然叫ぶ。
発電所に辿りついたあたしたちの前に姿を現したのは、
最近欠席が多くて妙だと言われていた、黒川唯一だった。
彼が手にしていたカードは先ほどの飛んできたカードたちだろうか。
「く、くくくく。
どうかしたのか?」
虚ろな目をした黒川。
何かとても嫌な感じがする。吉澤先輩が前に出る。
「むふ。あなたがみんなのカードを奪ったの?」
「そうだと言ったら?」
「返す気はある?」
「……。」
その質問には黒川は無言だった。
口元にはいやらしい笑みが浮かんでいる。
「そう……なら腕ずくでも取り戻すわ!」
そう言って、先輩がデュエルディスクを構える。
「馬鹿め……貴様も復活のための生贄にしてやろう…」
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