二章「天上院吹雪」

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次の日、あたしはなんとか起きれた。 しかし気分は相変わらず暗いまま。 まだ天上院吹雪を発見したという連絡が無い。 「どこにいるのよ……吹雪さん……」 ボ~っとそんなことを考えながら教室に入ろうとしていた為、 あたしは近くに歩いていた男子生徒にぶつかってしまう。 なんかもうツイてない。 「あ…ゴメン……大丈夫?」 あたしは、よろけて壁にぶつかってしまった、小柄な男子生徒に声をかけてみる。 別になんとも無かったみたいで、その生徒もあたしに声を返す。 「……いえ」 赤い制服、オシリスレッドだ。 赤い帽子を目深に被っている。 昨日、周子が言っていたことを思い出し、あ、と思わず声を上げてしまう。 「もしかして、君が最近来たばかりの転校生?」 「……はい」 「へぇ~、あたし石原法子。よろしくね。 あ!時間ヤバイ! ほんとゴメンね、じゃ!」 そう言って、あたしは教室に駆け込んだ。 結構悪く無い……かも。 ・・・ 教室には同じオベリスクブルーの生徒、温田熱巴もいた。 「何よ温田、あんたも補習?授業サボってたの?」 「うるせーな。ちょっとテストの点が悪かっただけだ。」 温田熱巴は属性デッキ6人衆とかいう、わけのわからないグループに入っている。 彼らは常に集団で行動するため、あまり勉強してなかったのだろう。 それに一人サボると、つられるように他の5人もサボる。 加えて、温田熱巴はテストの成績も悪かったらしい。 そこが呼び出しを喰らった要員と思われる。 軽口を叩き合うあたしたちの前に、名物教師、クロノス教諭が現れる。 「ハイ、そこまでナノーネ。 今から二人でデュエルしてもうノーネ。」 「デュエル?なんでよ?」 「勝ったほうは今までのことを目を瞑って上げるノーネ。 ただし負けたほうは処罰するノーネ。」 実力主義者のクロノス教諭らしいやり方だ。 ま、デュエルに関しては自信のあるあたしは、同じブルーの生徒と言えど負ける気はしなかった。 「俺は構わないけどな。 帝王の涙に負けるわけが無いぜ。」 「うっさい! だからあのときは緊張してただけなの! ほら、構えなさい。」
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