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黒川が新しいカードを使うたびに誰かから悲鳴が上がる。
元々の持ち主の声だ。
「手札ゼロから、一気に4枚もカードの補充を……。
く……それも奪ったカードだと言うの……。」
「言ったはずだ…。〝俺が集めた〟カードだとなぁ!
さぁ…お楽しみはこれからだ……
カードを1枚セットし、
行け!怨念のキラードール!」
この攻撃が通ってしまえばかなりピンチだ。
お願い…耐えて先輩!
「キラードールには消えてもらうわ!
リバースカードオープン、
炸裂装甲!!むふ。
攻撃してきたモンスターを破壊する!
これでエクトプラズマーのコンボは使えないわね。」
「ふん…、その程度でいい気になるな。
貴様の場の罠など読めていたわ!
メタル・リフレクト・スライムを生贄に捧げ、
ホルスの黒炎竜LV6を召喚する!
攻撃力2300だ!」
あ!!
っと私と周子が声を上げる。
「わ、私のホルス……だ……」
それを聞いた先輩の表情が、いよいよ悪鬼羅刹の如き顔に変貌していく。
いや、それはあたしもだろう。
周子の泣きそうな顔を見ていたら、どうにも我慢がならなかった。
「先輩!そいつブッ飛ばして!」
先輩はあたしたちのほうを向かずに、
変わりに親指を立てる。
紛れも無くOKのサインだろう。
「これで俺のターンは終わりだが……
ホルスの黒炎竜LV6は魔法の効果を受け付けない。
従ってエクトプラズマーの、カード効果の生贄に捧げる必要が無いということだ。
くくく…、怯えろ。大人しく復活の生贄になるがいい…。」
吉澤由美 LP 3000 手札2枚
場:伏せカード1枚
黒川唯一 LP 2900 手札0枚
場:「ホルスの黒炎竜LV6」
「エクトプラズマー」
「悪夢の蜃気楼」
伏せカード1枚
「私のターン!さぁ、悪夢の蜃気楼の効果でカードを引きなさい!」
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