280人が本棚に入れています
本棚に追加
あたしの場に身を守るモンスターはいない。
だけどこいつは伏せカードの存在を忘れているようだ。
「和睦の使者を発動。このターンのダメージをゼロにするわ。」
「くそ……カードを2枚セット。ターンエンドだ。」
伏せカードか……
でもあたしには、そんなものが意味無いってことを教えてあげるわ。
「さ、あたしのターンね。ドロー。
スタンバイフェイズに、さっき天使の施しで墓地に捨てたモンスター、
黄泉ガエルを復活させるわ。」
黄泉ガエルは墓地に存在し、自分の場に魔法・罠カードが存在してないとき、
スタンバイフェイズ、つまりターンの開始時に復活する効果を持っているカードだ。
「黄泉ガエルを生贄に捧げ……
これよ!
氷帝メビウスを召喚!
攻撃力2400!」
「なぁにぃ!?」
「このカードの効果は知ってるわよね?
生贄召喚に成功したとき、フィールド上の魔法・罠を2枚まで破壊できる。
当然、あんたの場のセットされたカードを2枚破壊するわ。
効果発動!フリーズ・バースト!」
破壊したカードはリビングデッドの呼び声と、レベル変換実験室。
前者は墓地のモンスターを蘇生させるカードで、
後者は手札にあるモンスターのレベルを変動させるカードだ。
伏せカードを破壊したことで、安心して攻撃できる。
他の女子はカッコいい容姿を持ったカード、いわゆるイケメンなカードを
多く使っているのだが、あたしはこういう結構ゴツイカードを使っていた。
あたしが氷帝メビウスを使うのは、ワケがある。
あの天上院吹雪さんが、プレゼントしてくれたカードなのだ。
「さらに手札から魔法カード、早すぎた埋葬を発動するわ。
このカードは墓地に存在するモンスターを蘇生させる。
さっき墓地に捨てた魔導戦士ブレイカーを復活!」
魔導戦士ブレイカーは攻撃力1600のモンスターで、手札から召喚したとき、
自身をパワーアップさせる効果を持っている。
でも今回は、墓地からの復活だからその効果はナシよ。
「もういっちょ手札から魔法カード、遺言状を発動よ。
墓地にモンスターが送られたターン、
さっき生贄で黄泉ガエルを墓地に送ったわよね。
デッキから攻撃力1500以下のモンスターを
自分のフィールドに特殊召喚させるわ!
これよ。ならず者傭兵部隊!」
最初のコメントを投稿しよう!