二章「天上院吹雪」

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この見た目がちょっと怪しい戦士の集団は、攻撃力は1000しか無いが フィールドのモンスター1体を破壊するという、強力な効果を持っている。 当然あたしが破壊するカードは温田のカード。 「あんたの場のモンスター、火炎木人18を破壊。 そして……」 温田を守るカードは無い。 「あ……!!」 「あたしの勝ちよ! モンスターで攻撃よ! 魔導戦士ブレイカー!」 温田熱巴 LP 2400 「あ……あ……」 「もういっちょ攻撃よ! 氷帝メビウス!アイスランス!」 温田熱巴 LP 0 「マジかよ!負けちまった!」 公式の技の名前とはいえ、 ちょっと安直すぎる技名なんじゃないかなと疑問に思いつつも、 あたしの最愛のカード、氷帝メビウスで決着をつけた。 「そこまでなノーネ!ブリリアント! イシハーラ ノリーコは約束どおり、今までのことは水に流すノーネ。 次回からはちゃんと授業に出席するノーネ。 オンダ アツーミは後日追試ナノーネ! 結果次第ではラーイエローへの落第もありえるノーネ。シルブプレ。」 「ちっくしょぉぉ!!」 あたしは久しぶりのデュエルに充実感を感じつつも、 天上院吹雪さんに思いを馳せていた。 ・・・ ――数ヶ月前のこと。 あたしは、夕陽が沈むころ、PDAで天上院吹雪さんを浜辺に呼び出していた。 「どうしたんだい、ハニー。こんなとこに呼び出して。 まさか愛の告白かい?はっはっは。」 この人はいつもこんな調子だ。 「……あたしと……デュエル……してもらえませんか?」 いきなり告白などは気恥ずかしくて出来きやしない。 てか出来るわけない。 でもデュエルすることで、少しは思いを知ってもらえるかと考えたのだ。 「君にとってデュエルは挨拶のキスみたいなものなのかい? でもそんな挨拶も嫌いじゃないな。」 もちろんこの人もデュエルが大好きなのだ。 そして…… 「漆黒の豹戦士パンサーウォーリアーで、法子くんにダイレクトアタック!」 天上院吹雪 LP 500 石原法子 LP 0 負けた。 あと少しまで追い詰めたが、罠カードの逆襲にあったのだ。 吹雪さんはカイザー亮のライバルという話があるほど、 高い実力を持っているのである。 むしろそこまで追い詰めることが出来たこと事態、奇跡だ。 「……か、完敗……です。」 「ありがとう! 君の熱いハートに僕は感動したよ。 そうそう、これを上げよう。君と僕の、今日の記念にね。」
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