280人が本棚に入れています
本棚に追加
どことなく…
…どことなくだが、吹雪さんに似てるかな…
…とあたしは思った。
・・・
「お姉ちゃんは、タッグフォースのパートナーは誰か決まってるの?」
授業が終わり、部屋でゴロゴロしてたあたしに周子が話しかけてきた。
タッグフォース?
なんだそれ?
「なんかのイベント?」
「ちょっとお姉ちゃん最近ボ~っとしすぎ!
今から三ヵ月後に、タッグデュエルによる大きな大会をやるの。
パートナーのあてはあるの?」
タッグデュエル…
…パートナー……
もちろんあたしの脳裏には吹雪さんの姿がよぎる。
でも……
彼は今だに行方不明の身。
「…いないわ……周子は?」
「えへへ……あたしもいない。組む?」
「そうね、それしか無いわね。」
「彼氏がいないと寂しいね。」
「うっさい。」
詳しく聞いてみれば、デュエルアカデミア内だけでなく、
外部からの参加もあり、テレビ放送もされるというとても大掛かりなものらしかった。
もしかしたら、吹雪さんもこの話を聞きつけ、
タッグフォースに参加するためにひょっこり姿を現すかもしれない。
なんといっても目立つのが好きな人だからだ。
最高に盛り上がってきたところで
イエーイ!みんな僕の登場を待っていただろう!?
なんて声高らかに宣言しながら、大会に乱入なんてのも考えられる。
むしろその仕込みのためだけに、あえて行方をくらましているんじゃないか、
とすら思えてくる。
しかしあたしは大きな期待とともに……
何か例えようのない、黒い不安が胸中に渦巻いていた。
最初のコメントを投稿しよう!