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その夜、お風呂にも入ってあとは寝るだけとなった実梨は、毎日寝る前にやっている翌日の学校の準備のために鞄の中身を整理していた。そのときふと、ファイルに入れていた良次の事が書かれた紙が目に入った。
実梨はファイルからその紙を取り出すとベッドの上に座った。そのまま体を倒して寝転ぶと、紙を顔の前に置いてまじまじと見た。
(案内してたときはいつもと変わりなかったのに…)
実梨は、帰り道で自分の態度が変化していたことが不思議で仕方がなかった。しかもそれは意識して変えた訳でも無く、本当に自然な変化だった。あれほど自然に男の子と話せたのは随分と久しぶりだった。
(きっと初めて会った人だからだよね)
あまり深く考えず、実梨はそう思うことにした。体を起こして、準備の続きをするために立ち上がった。
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