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「もう、相変わらずなんだから」
実梨が男の子が苦手なことは蘭も鈴音も理解していた。だからこそ、友達として何とかしてあげたいという気持ちがある。特に蘭はその気持ちが強い。
「そんなんじゃいつまで経っても彼氏できないわよ」
「蘭、そういうあなたも彼氏いないでしょ」
すかさず鈴音が突っ込むと、蘭は手をヒラヒラと振って笑った。
「大丈夫よ。いなくたって今のところ不自由してないし」
蘭は『容姿端麗』という言葉がよく似合う、自他共に認める美少女だ。パッチリとした目、筋の通った鼻、色白の肌、サラサラのロングストレートヘアー。細身の体型で余分な肉はついていないが、出るべきところはしっかり出ているという女の子にとって理想の体型をしている。性格はサッパリとしていて面倒見が良いしっかり者で、男女両方から人気がある。今まで多くの男の子から告白されていても全て断っているという強者だ。
一方の鈴音は三人の中で唯一の彼氏持ちだが、密かに男の子に人気がある。丸くて大きな瞳が可愛らしく、色素が薄くて茶色く見える髪はショートカットで、三人の中では一番小柄である。性格はおとなしく、いわゆる『守ってあげたい』タイプだ。彼氏さえいなければと悔しがる男の子は多い。
(二人に比べて私は…)
実梨は自分の平凡さにため息をついた。
(本当に、一生彼氏できないかもね)
半ば投げやりな気持ちで、実梨は二人の会話を聞いていた。
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