Ⅰ章1部

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「まだっ!」 手を前に差し出し、俺は声の主に叫んだ。 しかし、そこは自分の部屋だった。 「また夢か…」 周囲を見回すと窓の外が茜色で、時計は5時半くらいだった。 (なんだよ、あいつは?2度も夢に出て来やがって!それにしても8時ってなんだよ…。何が起きるんだ?) 積もる疑問も8時には解決するだろうと思い、頭の隅へと避けた。 それにしても、今度はカレーの香りが漂ってくる。 6時には飯だから下に降りたら、キッチンでカレーをかき混ぜている母が声をかけてきた。 「憐になんか届いてるわよ。それにしてもあんた寝すぎよ!届け物は玄関にあるから」 「んっ」 しかし、俺には荷物が届く覚えはなかったが、玄関に荷物を取りに行った。
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