Ⅰ章1部

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玄関の靴箱の上にはやたら大きな箱置いてあった。 「なんだよこれ?」 靴箱の上に置かれた箱は30センチ四方程の赤いリボンの付けられた白い箱で、なんの工夫の無いありきたりなプレゼントボックスだった。 怪しすぎる……。 「宛はないしな。爆弾とかじゃないよな……」 俺は箱に耳を当てて振ってみた。 カシャカシャと軽い音がするから爆弾ではないようだ。 爆弾なら箱いっぱいに入ってるだろうから音なんかしないだろう。 俺はリボンに手をかけた。   「後にしなさい!もう夕飯よ」 母ちゃんに怒られた。 とりあえず箱をソファに投げ置き、定位置であるテレビ正面の椅子に腰掛けた。 カチャカチャ食器を出す音が聞こえたのでテレビを付けると、学校があった時はこの音楽を聞く度に鬱になったアニメの音楽が鳴り響いた。 (明日から平日か……。) 俺には関係の無いことだった。
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