Vol.02 デビュー

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それでも捕まえようとすると、望月は俺に合わせて和泉の向きを変えた。 困ったように苦笑いする和泉の向こうの望月が、面白そうに笑っている。 クソッ、ちょこまかしやがって! 「子供じゃないんだから静かにしてくれない?」 そんな俺達に離れて座っていた響が冷めた声で言った。 「ああ?」 「三つも年下の子にいいようにされてみっともないわね」 怒り任せで振り返った俺の怒りを、更に煽るかのように響は鼻で笑った。 「お前、喧嘩売ってんのかよ?」 「売ってなんかないわよ。本当の事を言ってるだけ。まぁ、あなたが売るっていうなら買ってもいいけど?」 冷めた口調とは裏腹に、ひどく挑戦的な瞳が向けられる。 勿論、年下の、しかも女相手に喧嘩なんて出来るはずがない。 そんなの当たり前だ。 でもこいつだけは許せなかった。
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