Vol.02 デビュー

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「すぐ行きます」 俺達から目を離さずに和泉は声だけ飛ばし返事をすると、俺の背中をポンポンと軽く叩いた。 「さぁ行こう。リハーサル通りやれば大丈夫だから」 「はい!」 さっきまでハラハラした様子でこっちを見ていた望月が、元気に返事をする。 そんな望月を満足そうに見て、和泉は俺達に視線を戻した。 「結城も泉ちゃんも、今日のところは俺に免じてさ。初めてのテレビ生本番で恥掻きたくないだろ?」 「俺は別に…。響に聞けよ」 「私だって、あなたを相手にするほど暇じゃないわよ」 明らかに俺に向けられて吐かれた言葉に苛立ちながらも、和泉の手前必死に押さえた。 「よかった。じゃ泉ちゃん、今日も最高のドラム頼むね」 歩き出した響に言って和泉は俺を見た。
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