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「和泉」
「分かってるよ」
俺は悪くない、と言おうとした俺を遮って、和泉が笑顔を見せてくれた。
その笑顔が和泉は怒ってないんだって俺に教えてくれる。
そして俺はその和泉の顔で響への怒りも消えて穏やかな気持ちになった。
和泉がいればどんな時だって幸せになれる。
どんなに嫌な気分でも、和泉の笑顔でそんなの吹っ飛んでしまう。
俺って、めちゃくちゃ単純なんだよ。
自分でもそれがよく分かってるんだよな。
「俺達も急ごう」
先に行った望月と響を追うように和泉は俺の手首を取って部屋を出た。
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