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こいつ、マジで緊張してやがる。
そういえばさっきのたった一言の挨拶でさえ、声が震えていたように感じた。
俺は組んでいた足で望月のふくらはぎを軽く突いた。
ビクッとして震えが一瞬止まる。
俺は正面を向いたまま、少し体を望月の方へ傾けると耳打ちをした。
「ダセェぞ、ガキ」
「俺は…」
小声で望月が反論しようとした時、話しの終わった和泉が立ち上がり俺達もつられるように立った。
「俺はガキなんかじゃありません」
セットに歩きながら望月が言えなかったことを言ってくる。
「そういう事はミスらず出来たら言え」
「ミスなんかしません」
こんなガキにもプライドがあるのか、少し怒ったように言うとベースを肩から掛けて位置に着いた。
俺もマイクスタンドの前に立つ。
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