Vol.02 デビュー

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こいつ、マジで緊張してやがる。 そういえばさっきのたった一言の挨拶でさえ、声が震えていたように感じた。 俺は組んでいた足で望月のふくらはぎを軽く突いた。 ビクッとして震えが一瞬止まる。 俺は正面を向いたまま、少し体を望月の方へ傾けると耳打ちをした。 「ダセェぞ、ガキ」 「俺は…」 小声で望月が反論しようとした時、話しの終わった和泉が立ち上がり俺達もつられるように立った。 「俺はガキなんかじゃありません」 セットに歩きながら望月が言えなかったことを言ってくる。 「そういう事はミスらず出来たら言え」 「ミスなんかしません」 こんなガキにもプライドがあるのか、少し怒ったように言うとベースを肩から掛けて位置に着いた。 俺もマイクスタンドの前に立つ。
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