~緑の章~

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”その子は優しい” ”その子は美しい” ”森の王にこそ相応しい” ”森の王、お手元へ” ”お手元へ、森の王” 「この子は人間だ」 ”ホーホホ。人間人間。その子は人間” ”森の王らしからぬ逃げ口上。ホホホ”  ・・ ”コレ・は、何? 森の王”  小さな風が巻き起こり、若者の衣服の裾を乱した。 「うっ」 ”貴方は正直” ”この少年も正直” ”貴方は森の王。何でも思いの通り” ”人間、人間、この子は人間。森の王の前で、何の免罪符となろう” ”お手元に、森の王” ”お手元に森の王” ”この少年ならば、我等も祝福します” ”この少年ならば、我等も守ります” ”我等の仲間の為に涙してくれた心優しい少年” ”森の王” 「失せろ」 ”ホホホ。森の王が照れておられる” ”ホーホホ。森の王が照れておられる” ”森の王が照れておられる” 「散れと言うにっ」 ”ホーホホ。ごゆるりと、森の王” ”ごゆるりと、森の王” ”さぞや旨かろう” ”さぞや旨かろう” ”ごゆるりと” 「あいつ等っっ」 「?? あの~っ」 「んっ」 「どうかしましたか? 俺…じゃない。僕、何か」 「そなたではない。覗き趣味のあるゲスな奴等が騒いでおっただけだ」 「??」  若者が、改めてエリーと向かい合った。そして、右手を伸ばし股間のものを弄り始めた。 「わぁっ」 「嫌ならそう言え」 「…や…じゃないけど」  エリーは、反射的に腰を引いたが、若者は気にも止めず弄っている。 「けど、何だ」 「汚いよぉ。止めよ~よぉ~。汚いよぉ」  若者が、エリーの股間から手を引いた。 「ホゥ。わっ」  ホッとしたのも束の間、若者が衣服を脱ぎ捨て全裸になってしまった。  逞しく張りのある肉体が眩しい。森に差し込む光りが、彼の姿を浮き上がらせている。  エリーは目のやり場に困り視線を落としたら、若者の半勃ちしたモノが目に映った。  ゴクンッと喉を鳴らして生唾をのんでしまったエリーは、初めて見る成人男性のソレから視線が反らせない。 「ぇっ、わっ」  グイッと右手を強く引かれ、あもうもなく若者のモノに触らされていた。  エリーの指先にビクッと力が入り嫌がったのだが、つかまされたら手が離れなくなった。 「汚いと思うか」 「ぇっ? 何?」
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