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そこで陸は名案を思い付いた。
「なあ……タケシ。
落ち着くまでの間オレんトコに来いよ!」
あの赤い部屋に夜、1人でいるのはやはり躊躇われる。
ここはひとつ、宿のないというタケシを道連れにしてしまおう。
……………
…………
……
入学式後、月並みな挨拶や進行が終わり、本日はお開きとなった。
「タケシ、帰ろうぜ」
「おう!」
陸とタケシは昇降口を出た。
昇降口を出てすぐに、陸達は目をパチパチさせた。
『○○サークル歓迎!』
との立て札を掲げた連中がびっしりと一年生の昇降口をマークしていた。
「うわぁ…」
「気合い入ってんなー…」
野球、サッカー、テニス、……運動のサークルもあれば、写真、軽音、中には鉄道という変わったサークルさえある。
諸先輩方の執拗な勧誘に、新入生は早くもタジタジといったところか……。
陸とタケシはその合間をスイスイと抜けていく。
「………あの」
ふと、背後から女性の声がかかった。
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