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Cの話を要約するとこうだ。
俺のマンションには一階エレベーター前に監視カメラのモニターがあり、エレベーターの内部を見る事が出来る。
降りてくるエレベーターに乗っていたのは初老らしき女性と白い服を着た黒髪の女性。
そのままエレベーターは一階に止まり、中から出てきたのは初老の女性だけだったらしい。
勿論一階までどこの階にも止まってないそうだ。
だから怖くなって階段で上がってきた、とCは話を結んだ。顔面蒼白なのはそのせいもあったのか。俺の部屋は十階なのにご苦労な事だ。
Cも落ち着いてから、俺の家に来たヤツの宿命である掃除を手伝わせていた。
数日前から続けていたので、随分綺麗になった。後は雑巾掛けだけだと俺は洗面所に向かった。
その時、AとCの短い悲鳴が聞こえた。A二割C八割の割合だった。どうでもいいな。
とりあえず「どうした?」と聞くと、「今女の声が聴こえた。綺麗になったねって…」とAが答えた。
Cも同じく聴こえたらしく、また顔色が優れなくなっている。
数分後、幽霊に認められたと狂喜乱舞する俺と便乗するA。
唯一人テンションの低いCは「幽霊に関わった事より霊感が伝染したかもしれない事が怖いよ」と小さく呟いていた。
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