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俺は、危機感というか、霊感の少し有る人なら分かるだろうが、背筋が冷たくなり全身の感覚が驚く程敏感になるあの感覚、それを俺のマンションで体験した事は無かった
。
霊感の有る友人からは「お前おかしい」などと言われる事もあったが、それも以前の話。
体験してしまったのだ。
ついこの前の話。余り怖くないとは思うが、当事者の俺にとっちゃ洒落にならん話だ。
俺の活動時間帯はその日により異なり、事件が起こった日は深夜三時に帰宅した。
エレベーターホールに入った瞬間から寒気がした。その日は三月の夜にしては異常な程暖かい気温だったのいうのに。
こんな生活してるから風邪にでもなったんだろうと自分に言い聞かせてはみたが、原因はそうじゃないであろう事は容易に想像が出来た。
一応監視モニターでエレベーターの中を見てみたが、何も映ってないし乗っていない。
(原因はこのホールか…)と思い、感覚は研ぎ澄ませたままでエレベーターが到着するのを待っていた。
しかし、何も起こらない。
あっけなくエレベーターは一階に到着し扉が開いた。
やはり誰も乗っていない。
なんだ、気のせいだったのか?と煮えきらないまま俺はエレベーターに乗り込みボタンを押した。
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