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中央には駐車場から屋上まで突き抜ける空洞が広がっている。
俺の部屋はエレベーターと対極にあるので、どちらから回ろうとしても結局は一番遠い。
エレベーターから降りた俺は、全力疾走で自室に向かう。しかし、何故か身体中に重量を感じ、速く走る事が出来ない。
俺の足を床から伸びた手がしっかりと掴んでいるのだ。
振りほどきたくてもどかしいのだが、どうする事も出来ないまま走り続けていく毎に足は遅くなっていく。
自室への道のりを半分程辿ったところで、足はついに動かなくなる。
足元を確認すると、何時の間にか増えていた無数の手が絡み付くように俺の足を固定している。
(後少しだったのに…)と途方に暮れ絶望すると目が覚める。
そんな夢だ。
書いててトラウマが蘇ってきた。いや、勿論完結まで書くがね。
で、何度もその夢を見て、内容も変わる事はなく、自室に辿りつくまでに捕まえられて動かなくなって終わり、目覚めるを繰り返していたが最後まで慣れる事はなくずっと「悪夢」のままだった。
ある日、悪夢に変化が起こった。これもきっかけは分からないままだが。
その日の夢は、十階から始まっていた。
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