金縛り

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二十歳になるまでに金縛りに遭わなかった人は一生金縛りには遭わないらしい。 が、運が良かったのか悪かったのか見事に俺は金縛りに遭ってしまった。そのお陰でこの事をネタに出来るから結果オーライな訳ではあるのだが。 という事で、その初めて怪奇絡みで金縛りに遭った時の話。 中学生の時の事だ。俺はその頃恒例行事となっている帰郷をしていて、俺にとって田舎の象徴である従姉弟の家で寝泊まりしていた。 普段と変わり無い日で、普段と変わり無く寝た。横に寝るのは長男のジュン(三歳年下)で、これも何時も通りだった。 田舎の夜は早く、その日も例によって九時頃には就寝したように記憶している。ジュンより先に俺は夢路へと向かった。 ここからがいわゆる本題となってくる訳で、俺は金縛りに遭った。 今までには何度か金縛り自体には遭った事があるので、この時点では「金縛りか、ウゼぇなぁ」くらいにしか考えていなかった。 恐怖心など全くと言ってしまっていい程無かった。この時点ではな。 俺は金縛りに抵抗する事はせず、目を閉じて再度眠りに落ちるのをただ待っていた。 異常はまず音という形でやってきた。 五分程経った頃、いきなり耳元で「ピッシャーン!」と鳴った。
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