夜は墓場で…

3/4
前へ
/26ページ
次へ
歩き回っているうちに、面白そうな場所を見つけた。 大きい鳥居みたいなものが見える。その中には更に大きい石碑のようなものが見えている。余程金持ちの建てた墓なんだろうか。 俺たちは満場一致でそこまで行くことを決めた。 近くに来てみるとやはり大きい。何かありそうだと俺たちのテンションは上がる。 そしてその鳥居に足を一歩踏み入れた瞬間、あり得ない程の寒気を感じ、固まった。 横の悪友二人に視線を移すとやはり同じく固まっている。 しかしここで行かねば男が廃る。 その心構えは皆同じだったようで、ビクビクしながらも中に入る。 やはりここは他とは違う。怖い。逃げ出したい。 そう思うのだが何もせずには帰れない。 Bは相変わらずムービーを回していたが顔は蒼白だ。 俺も携帯を取り出し、二、三枚写メを撮ると、「もういいか、行こう」と目で促した。他の二人もさっさと帰りたかったらしく、何も言わず付いてきた。 鳥居を出た瞬間身体は少し軽くなったが、鳥居に入る前の比ではない重圧である。 俺たちは無言のまま、出口へと向かって歩いていく。 足音は気配を増し、大きくなって付いてくる。 そのうちに異変に気付いた。おかしい。 出口が遠すぎる。
/26ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加