14人が本棚に入れています
本棚に追加
これは、田舎の友人の話だ。その友人の名前をDとする。
Dはその日家族で出掛けていて、自宅に帰ってきた頃にはもう夜十時を回っていた。
田舎らしく家は一軒家で、豪邸とも言える規模であった。Dの部屋は二階にある。
Dは家に帰ってすぐ、自室へと向かった。やり残した宿題があり、それを次の日までに済ませねばならなかったのだ。
二階に登ってきたDは、自室の扉が少し開いている事に気が付いた。
中から小さく、だが確かに人の声が聞こえる。
Dは怖くなり、一階に居る家族のところへ行きたくなったが、これで何もなければ恥ずかしい。
Dは意を決し、扉を開けるとさっと電気を付けた。
部屋の中で、ラジオが起動していた。
Dは拍子抜けして、ラジオの電源を消した。良かった。これで家族のところなんかに行っていれば恥ずかしすぎる。
しかし、出掛ける前にラジオなんて付けていたっけ…?
ラジオの方に目を向けたDはある事に気が付いた。
ラジオのコードはコンセントにささっていなかった。
Dは迷いなく家族の元へと走った。
最初のコメントを投稿しよう!