金縛り

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突然の音に、思わずビクっとする俺。いや、金縛りだから身体は動かんが精神的にな。それくらい分かるか。すまんかった。 だがすぐに落ち着き、「なんだ、ネコか」とまた寝ようとする俺。従姉弟の家ではネコを八匹飼っているなどとは関係なく、ただ単に俺がアホだっただけだが。 それがそうでない事は次の音が教えてくれた。 「パシャーン!」この辺でやっと普通じゃないと気が付いた俺。 よく言われるラップ音ってヤツだな。これ程やかましいものは今までに遭遇した事が無いが。 しかし、金縛りと怪奇現象がセットになって襲ってくるのは初めての体験だったので、驚愕している俺がそんな事を考えている余裕もなく、ただ怯えているだけだった。 その後も続く耳元の騒音に「何!?ピシャーンパシャーンって!?うわぁぁぁ怖ぇぇぇぇ!!」とか思ってるうちに次なる恐怖がやってきた。 身体が重くなってきた。 何か重いものに圧迫されているような感触。 (ヤヴァいヤヴァいヤヴァいこれはヤヴァいって!!) そう強く思いはするものの言葉にはなってくれない。目は開くものの口が開かないのだ。 このままじゃまずい、と愕然とする俺。しかしこの状況では頼れるものは何も…。 そう思った瞬間の事だった。
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