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何かが動く感触。
恐る恐る目を開けた俺が捉えたのは、寝返りをうつジュンの姿。
希望が見えた気がした。
(起きているのかもしれない!!)
だが、身体は動かないまま。どうするか一瞬悩んだ挙句、やはり声しか無いと思った俺は声を出そうとした。
「…ぅ…ぅぅ…」
うめき声なら出るがなかなかそれ以上が出ない。
俺は全身の力を振り絞り、声を出した。
「ジ…ジュン…」
なんとか呼びかけは出来たようだが、声が小さいのか反応は無い。
この後十分程だったろうか、呼び続けたが返事は無いまま、圧迫感も薄まり騒音も遠くなってやがて金縛りも解けた。
ジュンを起こしてやろうかとも思ったが、身体が動くようになったら急に脱力してしまい、すぐ眠りに落ちた。その後は金縛りに遭う事も無かった。
そして翌朝。
「ジュン、昨日の夜なんだが、金縛りに遭ったんだ。お前に助けを求めたんだが、寝ていたのか?」
「金縛りだったんだ。起きてたけど寝言かと思って無視してたよ(笑)」
満面の笑みでそう話すジュンに、直後俺が垂直落下式ブレーンバスターを放ったのは言うまでもない。
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