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小学生の頃、自分のドッペルゲンガーらしきものを見た事がある。
ドッペルゲンガーとは存在し得る筈の無い、もう一人の自分の事だ。
この自分のドッペルゲンガーを見た者には不幸になる、という話も聞けば、自分のドッペルゲンガーに不吉なものを感じ病院に行けば重病が見つかり手遅れにならず一命をとりとめた、という話も聞く。
どうやらドッペルゲンガーは余り頻繁に起こるものではないらしく未だに詳言が多くないので、ドッペルゲンガーが不吉なものなのかは判断がつかない。
その日小学生だった俺は商店街を一人歩いていた。
すると向こうから走ってくる少年が。それもジョギング程度の速さではなく、全力疾走と言ってもいいくらいのスピードで。
賑わっていなくても商店街は商店街だ。夕方という事もあり、人も少なくはない。
しかし、周りの人々はそれが見えぬかのように、全く何の反応も示さない。
まぁ当時小学生だった俺はそんな事大して気にもせず、進行方向から走ってくる少年との距離が縮まっていくのを感じながら、少年の方へ歩みを進めていった。
だって普通ドッペルゲンガーだとか思わないじゃん。この時点で「もしやドッペルゲンガー!?」とか思えるヤツは頭が普通じゃないよ。
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