セロリ姫

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いつもの様に 畑に行ったおじいさんが フとフキの葉の陰に 見慣れぬ何かを見つけました 近寄ってみると それは 半分 土に埋まり目をグルリと背けた青いモノです 「一体この様な所で何をしておるのじゃ?」 おじいさんは 青いのに問い掛けました すると その青いのは 「私はセロリ姫 漬物にすると美味しいのです」 目をグルリとさせながら答えました 不憫に思った おじいさんは お家に連れて帰りました 家では おばあさんが いいざかさん家の裏に住む タヌキさんと デヴッド・ボウイの話に花を咲かせておりました おじいさんが セロリ姫の事を話すと おばあさんは「なんと不憫な…こんなに目をひんむいて…」 二人はセロリ姫を育てる事ににしました 月日は流れ 姫は ますます青白く村の人達も 驚くほどセロリ臭くなりました 「そろそろ漬けて下さりませ」 おじいさんとおばあさんは困りました しかし このままでは臭くなる一方… おじいさんは タヌキさんに相談しました すると「それなら良い石がある 早速持ってきましょう」 おばあさんは お礼にタヌキさんの背中に「出火斗暴威」と 草の汁で書いてあげました タヌキさんは ガラガラ家に戻り いいざかさんと石を持って来ました その日から姫は 頭に石を乗せ目をひんむきタルの中で過ごしました やがて 臭みもとれかけた頃 とうとう干される事になりました(色々な意味で…) その話は都にまで伝わり 一口 食してみたいと 商人達が 押し寄せました姫を見た人達は 口々に言いました 「こんなセロリは見た事がない!是非!我が店に!」 姫達が どの店にしようか話していると タヌキさんが「太陽デパートが良い!あそこが1番だ!」と言いました タヌキにさんは 石も貰った事もあるので そうする事にしました 太陽デパートに着くと 姫は タヌキさんに チョコレートとジュースを買ってあげました 以前タヌキさんは 葉っぱの お金で買い物しようとし 追い出された事があったからです タヌキさんは とても喜んで 姫にもジュースを少し分けてあげました
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