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幼い心ながら、恋にも近い憧れを彼女はいだいた。
この医師は、恐らく善に属する人間ではないだろうことも、分かってはいた。
否、どちらかと言えば悪に属するタイプだ。
4つ上の兄も少しこの医師と似た雰囲気を纏いだしていたため、少女には分かった。
それでも、彼らは自分を食い物にするために、命をつなぎ止めようとはしていない。
彼らは、彼らの好奇心や興味の有無だけで行動しているのだから。
それは、悲しく感じることもできたが、それ以上に安心してしまっていた。
彼女にとっては、人との関係は心苦しい物でしかなくなっていた。
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