148人が本棚に入れています
本棚に追加
母が自分を薬品により生かすのは、決して腹を痛めた娘への愛情ではない。
父に至っては、まるで義務と言わんばかりに、感情を伴わない。
一体私は、なんなの?
無理矢理に生かされるお人形?
社交界に行けば、まるで兄の影とばかりにおざなりにされ。
たまに、近付く女たちには兄への踏み台とばかりにされ。
逆に、男たちはカタワモノへの憐憫と偉そうにする。
私はなんなの?
少女の心にある、小さな器は歪に壊され侵略されていった。
泣くという手段を忘れてしまった。
喚くという手段もなくしていった。
少女の表情は、感情の籠もらない笑みだけが浮かぶ。
最初のコメントを投稿しよう!