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別に、救われたいと願うわけではなかった。 彼が宗教にだけは、手を出さなかったのはソレを頼れば、自分が弱いと認めるようで癪だった。 悪ぶれば、周りは相手にしないか卑屈に諂うかのどちらかになる。 それなりに、気分は良くなるし何より本心を誰も探らなかった。 ノーブル達が隠れて行う阿片パーティーでは、皆が皆仮面をかぶり素顔を隠す 暗黙のルールは、互いを詮索しないこと。 阿片に酔いしれ、周囲で獣のように交わり合う人間たち。 美しい金髪を鬘で隠しながら、冷めたエメラルドの瞳が周囲を見渡していた。
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