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頬は痩せこけ、目は落ち窪み、艶やかだった金髪はバサバサとし、幽鬼のように青白い顔をしていた。
そして、ガリガリに痩せていた体とは対照的に彼女の腹は、膨れ上がっていた。
「ロレンお兄様…」
こんな状態なのに、キリエは恨み言一つ言わずただ周りの言葉を耐えていた。
諸悪の根元の私にさえ、笑いかけて怒鳴り声一つあげない。
「キリエ…どうして、父さん達に言わなかった?その子は、私の子だろ」
「言ったら…きっとこの子は流されます。それも…酷い方法で」
確かに、すでに定着は済んでいるし大きく成りすぎて合法的に、この赤子を流すことは不可能だろう。
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