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妻が疎ましく思うのと相反すように、息子は元気に育っていった。 キリエと似て、穏やかな性格をしていて誰に似たのやら、見目麗しく様々な才覚を表していった。 恐らくそれは、普通の親子ならば喜ばしいことだろう。 我が家にいたっては、そうも言っていられなかった。 「憎らしい…不義の子だというのに、あんなにも健やかに育って」 呪詛のように窓から庭にいるポールを見ては、妻は呟いていた。 勝ち気な性格だからこそ、自分に手を出さない夫の子を宿したキリエに、酷いコンプレックスを持っていたのだろう。 義務感と妻の要請で形式ばった夫婦間の性交渉は、行われていった。 ただ何も語らず、愛もなく体を重ねる行為は酷く虚しかった。
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