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そして、あのおぞましい結論が出た。 ポールが24歳になった時、4歳下のクリスの体が健康体と言えなければ、ポールは殺される。 私の罪を何故あの子たちが、償わねばならない! あの子たちには、何一つ罪は無いのに! 今すぐにでも叫び、掴みかかりたかった。 しかし、それを押し止めたのは私の次期頭首という立場。 父としていくら苦しかろうと 子に怨まれようと 周りから鬼畜と罵られようと 私は、頭首としてその激情に蓋をした。 その日以来、キリエに会わなくなり、クリスとも他人行儀に会話し、ポールには好きなことをさせた。 彼女らが、なんの疑問を抱くも無く、この諸悪の根源を憎んでくれればいい。 それ自己満足と独善的な考えだったが、彼にはそれ以外を知らなかった。
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