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ずば抜けた才能と、その美しさはありとあらゆる業種の者からもちやほやされた。 そしてその性格と、周りに止めてくれる大人がいないことから、更に奔放さは増した。 まず、おかしな輩と絡みだした。 それは、大変に悪趣味としか言いようがないグループだった。 貴族の退屈を持て余す子供たちが作ったグループ。 「虐殺クラブ」 悪趣味でグロテスクなドミノを付けた男女たちの中、ただ一人だけ仮面も被らずに華美なモーニングを着用したポールがいた。 このクラブを作ったのは、他の人物だったがポールの有無を言わさぬカリスマ性の元には、その人物の影響も薄くポールに睨まれぬように皆が媚びた。 最初は小さな動物だった。 煮えたぎる油を引いた、鉄板の端から自分のリボンを結んだネズミを走らせる。 焼け爛れた肉の臭いと、ネズミの絶叫。 一番最後まで生き延びたネズミの持ち主にそれぞれから金貨が出される。 生き延びたネズミは今度は氷水に投げ込まれ、ショック死する姿を見て笑う。 それが少しずつ、対象が大きくなりだした ネズミから猫へ 猫から犬へ 犬から猿へ 猿から人間へ
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