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一番対象が難しかったのは、人より猿だった。 一般的なペットでもないし、病原菌を持ち込む危険性も高いせいで、基本的にヨーロッパでの輸入は厳しく取り締まられていた。 仕方なかったので、中華料理屋の食品として輸入された猿を横流ししてもらい遊んだ。 猿というのは意外に賢くて、炎を使える個体もいた。 こんなに可愛く賢いなら、殺すだけでは勿体無い。 生きたままに皮膚をめくり、そのまま油が沸騰した鍋に入れた。 人間の悲鳴そっくりの声を聞きながら、クラブの連中はカラリと上がった猿の唐揚げを試食した。 味は意外に淡泊で、脂肪が多かった気がした。 一番美味しいのは太ももで、眼球がその次に美味しかった。 腹と欲望を満たし、目を情事のあとのようにぎらつかせながら、皆は帰った。
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