148人が本棚に入れています
本棚に追加
一般的に、生き物は進化して生き延びてきた。
ライオンはその牙を以て、ウサギはその耳を以て、鳥はその翼を以て
人は知恵を持って、愚鈍になった。
獣は死を恐れない、痛みに怯もうとも死をただあるままに、見つめる。
しかし、人は違う。
死を恐れ、忌避し、そして神に縋った。
死なない物はないし、壊れない物もない。
東洋の無常という奴なのだろう。
しかし、ならば人間に知恵を与えた神はなんと無情なのだろう。
進化の代わりに、恐れ怯え懐疑し憎しみ絶望し…
いくつもの、苦痛を与えた。
そして、ポールもまたそんな人間の一人でしかない自分に失望をした。
美神と言われようと、太陽に比喩されようと、この身は所詮人間なのだから。
最初のコメントを投稿しよう!