恋する乙女

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休み時間。 教室の窓から運動場を眺めている少女が一人。 (今日も、かっこいい……) 少女は心の中で呟いていた。 すると少女の後ろで高い綺麗な声がしたのだ。 「まーたっ、見てるの? 飽きないねぇ」 そう言うと彼女も、外を眺め運動場に目をやった。 少女はえへへというような笑顔で喋った。 「だって、かっこいいもん」 言い終わると少し照れたようだったが幸せそうに言ったのだ。 彼女はこれが乙女心というものなのか、と感じとった。 だが毎日毎日、飽きずに見ていた少女に彼女は不思議に思った。 「どこがかっこいいの?」 「全部」 「何しているときがかっこいい?」 「何をしていてもかっこいいよ」 まさにベタ惚れとかいうものなのか。 「何故そんなに好きなの」 すると少女はニコッと笑って言った。 「恋するのに理由なんかいらないのよ」 完~恋する乙女~
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