正直と勇気(圭介編)

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いつも喧嘩してしまう。 全く……俺も素直になれないものか。 素直になれば「好き」と言えたはずなのだが。 昨日のことだって「嫌い」を連発されちゃ、こっちだって傷つく。 だが俺も「嫌いだから」なんて言ってしまったのだ。 昨日のことは謝ろう。 俺はそんなことを考えて学校に着いた。 どうやら早く来過ぎたようだ。 しーんっと教室が静まっていた。 数分がたち、やっと友達が来たのだ。 その数分後には佐奈も……。 すると佐奈は俺に何かを伝えようとしていた。何かをーーー 「あ、あのさ……昨日」 佐奈の頬が紅らめていくのがわかった。 すると、彼女は顔をあげると 「昨日はごめん!」 そう言った。 佐奈は素直に言ったのだ。今度は俺の番……。 「それじゃぁ……」 彼女は逃げるように言った。だが 「俺、佐奈のこと嫌いじゃないよ」 素直になれるのは、まだ遠いみたい。 完~素直と勇気(圭介編)
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