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雲一つない澄んだ青空。
暖かくも冷たくもない、心地良い風。
住んでいる高層マンションの屋上で寝転がっている私は、このまま眠ってしまいたくなった。
どうせやる事もないし…。いいや、寝ちゃおう。
携帯をマナーモードにする。寝てる時に、携帯で起こされるのが大嫌いな私の習慣だ。
…よし、OK。
さぁ寝ようと思った矢先、私の名前を呼ばれた。
「なんだ美月、またここで寝ようとしてたのか?」
「あんた…また来たの。よっぽど暇なのね」
「お前には言われたくねぇよ」
ヘラヘラ笑いながら歩み寄って来る和弥に、私は精一杯の冷たい視線を注ぐ。
「あんたに私の行動を邪魔する権利があるのかしら?和弥さん」
「別に邪魔しに来たわけではありませんよ?美月さん」
和弥はいつもこうだ。
どんなに冷たい態度をとっても、皮肉を言っても、何もなかったかの様に平然と返して来る。
本当、調子狂うわ。
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