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「名前は?」
「…深谷です」
「深谷何さん?」
「…美月ですけど」
「美月ね!!綺麗な名前だね。あ、俺は和弥でいいからね」
馴々しい人だな…。
そう思ったが、そんなに嫌な気はしなかった。
多分、この笑顔のせいかも知れない。媚びるでも愛想でもない、不思議な魅力のある笑顔。
『笑顔が綺麗な人は信じられない』と言った人がいるけど、なるほどと思う。
綺麗な笑顔には、人を引きつける何かがあるのかも知れない。
「それで?」
「はい?」
「何で死のうと思ったの?」
普通初対面の人にこんな質問するだろうか?
「別に…」
「ん?理由もなしに死のうとしたわけ?」
「あなたに話す理由がないです」
「おぉ、うまい事言うねぇ」
和弥はのけ反る様な格好になって笑ってる。
一体何がしたいんだろう。
私の冷めた視線に気付いたのか、座り直して再び話しかけて来た。
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