序 ハルカ

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 桜が咲き誇る。  4月の春、出会いと別れの季節とも言うが、確かにそうだ。  高校を卒業し、今まで慣れ親しんだ高校の制服をクローゼットにしまい、真新しい黒地のスーツへと袖を通す。  今日は大学の入学式だ。  俺は筆記用具と書類を私用のショルダーバックに詰めて、早足で大学へと向かう。  高校での苦労が報われ、第一志望の大学へ受かった時は小躍りしそうなくらいに喜んだ。  それに、夢にまでみたキャンパスライフを思うと、今ここでスキップまでしてしまいそうだ。
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