序 ハルカ

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 これからのシングルライフも考えると心が躍る。  何から何まで、寝る間も惜しんで努力した過去の俺と、無理を通してくれた両親に感謝せねばなるまい。  浮かれている内に大学の門前近くへと辿り着く。俺と同じ、多くの新入生が入学式へと向かっていた。 「えっと……会場は」  会場は校内にある講演会場、俺も他の新入生と同じ様に人の流れに逆らわず、講演会場へと向かった。 * 「よう! カズト」 「酒井じゃん! お前もこの大学受けたんだっけ? よく受かったなー」  アッシュグレーのトゲ頭、トロンとした目に細身だけどしっかりした体、高校の時からワルぶってはいたけど、さっぱりとした性格の持ち主。  酒井トオルもまた、この大学の新入生だったようだ。
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