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「ぐあぁぁ!!」
人だかりの中心で、二人の決闘者が決闘していた。
一人は格調高いスーツ姿の小生意気そうな金髪の少年、
もう一人は細身のデニムとサイズの大きいパーカーを身につけ、ヘアバンドをした少年だ。
「分かったか!決闘は勝ちゃいいんだよ!!どんな手段、どんなデッキを使ってもなぁ!」
金髪の少年が一喝する。
「すげぇ…」
「最高級のレアカードだらけじゃねぇか…」
「あんな強力なデッキに勝てる訳ねぇじゃん…」
人だかりから次々に感嘆の声が上がる。
その中で、遊護はただ静かに会話を見守っていた。
「カードを信じる?バカバカしい。カードは道具だ!決闘者を勝利に導く、ただそれだけのな!!」
金髪少年は更に声を張り上げる。
「…ぐっ。あんな奴に負けるなんて…」
ヘアバンドの少年の表情からは悔しさが滲み出ている。
「黙れ負け犬!お前のクズカードなんかじゃ、俺に傷一つつけられやしないんだよ!!」
金髪少年は怒声を更に浴びせる。
その時だった。
「黙れよ」
怒りが満ち溢れる言葉が響き、どよめいていた観衆が沈黙し、声の主に視線が集まる。
「カードは道具じゃねぇ…パートナーだ!それに、この世にクズカードなんて無い!!」
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