第1話 決闘都市、開催!

6/7
前へ
/451ページ
次へ
「ぐあぁぁ!!」 人だかりの中心で、二人の決闘者が決闘していた。 一人は格調高いスーツ姿の小生意気そうな金髪の少年、 もう一人は細身のデニムとサイズの大きいパーカーを身につけ、ヘアバンドをした少年だ。 「分かったか!決闘は勝ちゃいいんだよ!!どんな手段、どんなデッキを使ってもなぁ!」 金髪の少年が一喝する。 「すげぇ…」 「最高級のレアカードだらけじゃねぇか…」 「あんな強力なデッキに勝てる訳ねぇじゃん…」 人だかりから次々に感嘆の声が上がる。 その中で、遊護はただ静かに会話を見守っていた。 「カードを信じる?バカバカしい。カードは道具だ!決闘者を勝利に導く、ただそれだけのな!!」 金髪少年は更に声を張り上げる。 「…ぐっ。あんな奴に負けるなんて…」 ヘアバンドの少年の表情からは悔しさが滲み出ている。 「黙れ負け犬!お前のクズカードなんかじゃ、俺に傷一つつけられやしないんだよ!!」 金髪少年は怒声を更に浴びせる。 その時だった。 「黙れよ」 怒りが満ち溢れる言葉が響き、どよめいていた観衆が沈黙し、声の主に視線が集まる。 「カードは道具じゃねぇ…パートナーだ!それに、この世にクズカードなんて無い!!」
/451ページ

最初のコメントを投稿しよう!

530人が本棚に入れています
本棚に追加