第1話 決闘都市、開催!

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遊護は弁当を一つ手に取りレジへと向かう。 店員―遊護と同年代と思われる黒髪の少女は素早くレジへと移動し、レジ打ちを始めた。 遊護はリュックを漁り財布を探している。 「525円になります」 少女が値段を読み上げると同時に遊護は財布を引っ張り出した。 が、その拍子にリュックの中に入れておいたカードの束をカウンターにバラまいてしまう。 「…おわぁ!」 遊護は足元に落ちたカードを慌てて拾い集める。 「…」 少女も遊護と同じように己の足元に落ちたカードを拾い出す。 「いやーゴメンゴメン。ありがとな。」 遊護はカードを全て拾うと体を戻した。 「…ぁ」 「助かったよ、サンキュー!」 少女は何か言いかけるが、カードを受け取り礼を言う遊護の言葉にかき消された。 「…525円になります」 「ほい、ちょうどね。」 遊護は小銭を渡し会計を済ませると、意気揚々と店を出て行く。 「ありがとうございました。」 去ってゆく遊護の背を見据えながら、少女は僅かに笑みをこぼした。 店を後にした遊護は再び広場に戻った。 先ほどとは違い、まばらにだが人影が窺える。 特に他へ行くあてもない遊護は、ここで大会開始を待つことにした。
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