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カルマの坂を登る
それから、少年は、何度もいつもの公園に行ってみたが、いつもあるはずのエリーの姿が見当たらない
いつも2人で座っていたベンチには、いくつもの落ち葉が乗っかっていた
少年は、エリーに言いたい事があったのだ
今日は、とても凄い物を盗む事を…
しかし、そのエリーの姿はない
そこで、少年は考えた
『これは彼女へのサプライズにしてみよう。きっと今日の盗みが上手くいって、計画も上手くいけば、彼女も楽になる。』
そお思い、少年は秘密基地に戻り、今日の盗みが成功しやすい、夕方を待つ事にした。
そしてその日の夕方、少年は目当ての物のある店に向かった
骨董品屋だ
少し前に、少年はある噂を聞いた
「ここの骨董品屋のこの【マンダークの剣】って、隣のF国じゃ数えきれない程の大金らしい。」
「本当か。こんなオンボロな剣がよお。」
「この剣の刃は、F国にとっては、とても貴重な金属で出来てるそうなんだよ。」
「そうかあ。…でも、この値札に書いてある値段でさえ、高いじゃねえか。意味なしだな。」
「ははは、それもそうだ。」
盗み聞きのため、真相は解らないが、少年はその剣を盗むつもりだった
そして、隣のF国に売りに行き、そこで手に入れた大金を、エリーと一緒に逃避行に使うのだ
少年にとって、これしか彼女を救える方法はなかった
そして、骨董品屋の看板が【閉店】の文字を表せたその時、少年は気付かれない様に、裏口から、店に入った
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